Above The Rest!
- New Balance -
2026年5月25日
スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画。
この企画の目玉のひとつは、取り上げたスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただいています。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーをよりリアルに体感して下さい!
ということで、第13弾となる今回は、New Balanceを取り上げたいと思います!
New Balanceは、1906年にマサチューセッツ州のボストンで創業されました。
当初の会社名は、New Balance Arch Support Company。会社名の由来は、文字通り「新しいバランス感覚をもたらす」の意ですが、業態としては、偏平足等を直す矯正靴のメーカーとしてのスタートだったようです。
また、独自の理論と技術を背景に作られるシューズは、当初カスタム・メイドだったようですが、徐々に野球選手や陸上選手からの支持を得るようになっていった、とのこと。
1960年代には、Tracksterというモデルでランニング用のスニーカーを、同社として初めてリリース。
1970年代には、テニス・シューズを展開していた記録が残っているようです。
驚くべきは、1970年代までこのカスタムメイドによる生産は続き、当時まで従業員はたった6名。そしてなんと、1日の生産数は30足だったということ!
そんな中、時代は「ジョギング・ブーム」を間近に控えていました。ボストンは「マラソンの街」と呼ばれていたこともあったのでしょう、「これからは、ランニングの時代が来る」と呼んだNew Balanceは生産ラインを拡大、1980年代には、イギリスにも工場を持つにまで至りました。
量産体制に入った1970年代のNew Balanceの傑作モデルとされるのが、320・355・Super Compです。
現在流通している様々な人気モデルも、この3つのどれかに起源を持つ、という重要モデルたちであることから、まずはこれらにフォーカスしてみたいと思います。
320は、プロアスリート向けに開発されたランニング・シューズ。
二層クッションが特徴で、ナイロン製のアッパーやプラスチック製のヒール等から、高いクッショニング効果を生んでいました。
1975年には、ニューヨーク・シティ・マラソンで、320を着用したTom Flemingが優勝。このことが、この320の知名度を一気に上げたようです。
発売開始時の320は、サイドパネルが「N」マークにはなっていませんでした。
サイドパネルが「N」ロゴになったのは1977年以降と言われています。
355は、トレイル(オフロード)向けのランニング・シューズ。
黒のオクトパス(タコの吸盤)ソールが特徴で、後述する555や現在人気の327は、この355の流れを汲んで生まれたモデルとなります。
また、Super Compは、ロードレース用のランニング・シューズ。
なんといっても、この鮮やかなオレンジが特徴ですね。
これら、New Balance躍進のきっかけを作った3モデルは米国で生産されましたが、1979年からは日本製も発売されたようですね。
そして、1980年代以降には、900番台や1000番台といったNew Balanceの「顔」となるモデルが登場しますが、それらに触れる前に、New Balanceの各モデルに付けられた「記号」のお話を。
まず、番号の前に「M」と付くのは「メンズ」、「W」は「レディース」、「U」は「男女兼用」ということになります。
また、「R」が「ランニング用」、「W」は「ウォーキング用」、「T」は「トレイル用」、「L」は「ライフスタイル用」ということのようです。
加えて、「C」が「米国・英国製」、「CM」が「アジア製」、「JP」が「日本製」。
生産国については、基本的にベロの裏側に表記されているので比較的わりやすいですが、これらの「記号の意味」については、持っていて損はない知識だと思うので、購入にあたって参考としていただければと思います。
1982年に、高機能ランニング・シューズとして990を皮切りに900番台が登場します。
この990が登場した際の「1000点満点中の990点」なるキャッチ・コピーは有名ですね。
その2代後となる形で、996がオンロードのランニング・シューズとして1988年に登場します。
このモデルは「New Balanceの定番シューズ」として長く君臨していることは、皆さん、ご存知かと。
900番台は、ブランドの顔を代表するようなモデルが多いシリーズであり、しかも大変多くのモデルが存在しました。
「990→995→996→997→998→999→990v2→991→992→993→990v3→990v4→990v5→990v6」といった順番でリリースされたようですが、必ずしも若番からリリースされてきたワケでもない、というのがまたややこしい…。
990は坂本龍一が、992はSteve Jobsが愛用していたというのも、よく聞く話ですね。
1000番台は、1985年に1300からスタート。
1000番台は、New Balanceが誇る新たなテクノロジーが惜しむことなく投入された、ラグジュアリーなシリーズとなっています。
当時にして「3万円超え」での販売価格から、「スニーカーのロールスロイス」と呼ばれました。
ミッドソールには「エンキャップ」が採用され、その履き心地をしてラルフ・ローレンに「雲の上を歩いているよう」と言わせたという話も。
このシリーズは、2000番台にも続いており、「1300→1500→1400→1600→1700→2000→2001→2002→2040」といった順番で展開されてきました。
1500については、アメリカのClinton元大統領が愛用していたという話が残っていますね。
なお、1300は、韓国でも生産されたようです。
黎明期の3モデル、そして900番台と1000番台を押さえておけば、New Balanceの骨格を把握出来たことになると思いますが、同社には、それ以外にも取り上げておきたいモデルがあります。
491は、1987年から販売されたバスケットボール・シューズ。同社にしては珍しいハイカット・モデルで、台湾で生産されていたようです。
495は、1989年から販売されたランニング・シューズ。ナイロンとスエードを使ったデザインが特徴で、米国で生産されました。
555は、355をベースに1982年に登場しました。トレイル(オフロード)ランニング向けなので、ソールはしっかり、アッパーにもヴォリューム感があるのが特徴です。
街履き用としても高い評価を得た、いわゆる「500番台の元祖」とされるモデルですが、流通数が少ないとされています。
500番台は「555→565→575→576→550→574→577→580→585」の順番でリリースされてきました。
660は、トラベル/ウォーキング用。軽さと歩きやすさが追及され、他のシリーズに比べカジュアルな位置づけにあるモデルです。人工皮革が採用されたことで、軽量化が進みました。
660は、カナダでも製造されていたようです。
そして、H710は、同社初のハイキング/トレッキング・ブーツとして1982年に発売されたモデル。
見た目のゴツさに反して、軽量だったこともあり、街履き用としても人気を博しました。
このH710は、英国でも生産されていたようですね。
2000年代に入ってからのNew Balanceは、他のシューズ・メーカー同様、グローバリズムを背景とした成長と合従連衡の渦の中にありました。
NBAやメジャーリーグ、そしてオリンピックへの参入を成功させてきた中、直近で行くと、この方とのコラボレーションが大きな話題になりました。
一方で、Rockportの買収/破産/売却、サッカー事業を通じたヨーロッパへの参入失敗…そのチャレンジには、決して成功裏ばかりがあったワケではないようですが、それでもNew Balanceは、ブランドの確立・保持においては依然として確固たる成果を出し続けているように見えます。
米国と英国での生産ライン保持に伴う価格の高止まり傾向に対しては、サイズや付属するインサート等において多くの選択肢を用意することで対応する、といった商品のコンセプトやマーケティングの設計は、adidas・Nike・PUMAといった他のメーカーとは一線を画すものといえるでしょう。
一方で、「ヴィンテージ」なる概念で捉えられる時代のモデルと、「現在ショップで入手可能」なモデルにおける「差」が比較的小さいようにも見えることも、New Blanceの強みであるように思います。
この、現行モデルを手に取る際「昔は良かったのに…」的な気持ちにさせないラインナップの維持も、他社にはないポジショニングによる大きなアドバンテージなのではないか、とも。
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「スニーカーのマスターピース」にフォーカスするブログ企画の第13弾は、New Balanceを取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
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また、「このスニーカーを取り上げて欲しい」というリクエストもお待ちしております。筆者の力が及ぶ限りではありますが、お応えしたいと思っています!
ということで、次回もお楽しみに!
UniverGoods

















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