Above The Rest!
- VANS㊤ -
2026年10月4日
スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画。
この企画の目玉のひとつは、取り上げたスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただいています。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーをよりリアルに体感して下さい!
ということで、第15弾となる今回は、VANSを取り上げたいと思います!
VANSは1966年、Paul Van Dorenらによってカリフォルニア州アナハイムで創業されました。
当初は「The Van Doren Rubber Company」として、会社の敷地内でシューズを作り、その場で直接販売するという独自のスタイルでビジネスを開始したようです。
創業者のVan Dorenは、元々ボストンの大手シューズメーカーで副社長まで上り詰めた人とのことで、シューズを造る上での様々な技術にも長けていたらしく、そのオープン初日は、来店した12名の客が好きな色とサイズをオーダーし、その日の夕方に出来立ての靴を手渡したという逸話が残っているとか。
そして、VANSのスニーカーに刻まれている「Off The Wall」というロゴにも触れておくべきでしょう。
直訳するなら「壁から離れる」といった意味になるワケですが、このフレーズの由来と意味の背景には、スケートボードカルチャーが深く関わっています。
1970年代、カリフォルニアを襲った大干ばつにより、住宅街の多くのプール(すり鉢状の家庭用プール)が空になり、多くのスケーターたちが、そのプールの傾斜を使って滑るようになります。
ある時、カリフォルニアで伝説的な人気を誇ったスケートボードチーム「Z-BOYS」のメンバーが、プールの縁を越えて空中に飛び出すという、当時誰も見たことがない革新的なトリックを成功させました。
これを見たチームのオーナーが、「Off The Wall!(今、壁を越えたぞ!/なんて型破りな奴だ!)」と叫んだことがきっかけとなり、このフレーズが1976~77年の間にVANSのロゴとなったようです。
Z-BOYSのメンバーたちがVANSの「AUTHENTIC」等を好んで履いていたことに加え、創業当時のVANSが取っていた「店頭で客から注文を受けて、その日のうちに作って渡す」という、当時のシューズ業界では他に類を見ない「型破りな販売方式」といった意味合いが加わって、この「Off The Wall」というフレーズは、VANSにおける「すべての人々の挑戦を応援する」というブランド・メッセージとなった、というワケです。
また、VANSの年代判別方法についても、ここで簡単に整理しておきましょう。
判別にあたってのポイントは、「ヒールパッチ」「インソール」「アウトソール」「ピスネーム(アッパーの布製のロゴタグ)」となるようです。
<最初期(1966年~1970年代初頭)>
ヒールパッチとインソールには「VAN」もしくは「VAN DOREN」と記され、アウトソールはワッフルソールではなくブルーのスリットソール(単なる溝)が使われ、ピスネームは付いていませんでした。
<1970年初頭~1975年>
ヒールパッチには「VAN DOREN」、インソールには「VANS」と記され、アウトソールは茶色のワッフルソールとなり、青文字で「VANS」と入ったピスネームが付きました。
<1976年~1980年代前期>
ヒールパッチにボードの形をした「OFF THE WALL」のロゴが登場し、パッチ上には「TM」マークが記載され、青文字で「VANS」と入ったピスネーム上に「R(レジスター)」マークが付くようになりました。
<1980年代中期~1990年代前期>
ヒールパッチの「OFF THE WALL」の上には「R(レジスター)」マークが記載されたもの、もしくは長方形のヒールパッチに「VANS」の文字が記載されたものが存在し、インソールは無地の革張りとなり、ピスネームの「VANS」の文字が黒となりました。
<1990年代中期(アメリカ製の最終期)>
ヒールパッチは「VANS」もしくは「OFF THE WALL」のものが混在し、インソールはクッション素材となり、ピスネームの「VANS」の文字が黒で継続されました。
それでは、今回は、VANSの往年を照らし、今もその存在感を保ち続ける定番モデルたちを見ていきましょう。
ここでは、創業時から1990年代中期までの間に登場した「VANS五大定番」と言われることもあるモデルについて、アメリカの工場で生産されていたものにフォーカスしていきます。
まずはAUTHENTIC。発売当初は「Style #44」というモデル名だったようです。
1966年の創業直後から存在するローカットのレースアップ・タイプで、1970年代には「シンプルなキャンバス生地のアッパーにワッフルソール」という基本構造がすでに完成していました。
アッパーとソールを装着する際の「バルカナイズド製法」も、この時点で確立されていたようです。
別の言い方をすれば、VANS側は「安くて丈夫なシューズ」として「広く一般向けに」このAUTHENTICを売り出したワケで、このモデルの魅力や使い勝手に目を付けたのが、スケーターたちだったということになります。
こちらは、ヒールパッチに「VAN DOREN」と刻印され、アウトソールに青いラインが入った「スリットソール(凹凸が直線的な溝のもの)」が使われていることから、1966年〜1970年頃(最初期)のモデルと思われます。
カリフォルニア繋がりということなのでしょうか、VANSはDisneyとのコラボ・モデルを多くリリースしていました。
ERAは1976年に登場。当初のモデル名は「Style #95」でした。
こちらは、AUTHENTICをベースに、主にスケート・パフォーマンスを意識して改良が加えられたモデル。開発にはプロのスケーターやBMXライダーらも関わったとされ、ストリートとスケートの橋渡しをした一足となりました。
履き口部分にクッション性のあるパッド(綿入り)を追加しただけの改良でしたが、このモデルは大ヒットし、VANSの名を世界に轟かせることとなりました。
また、ERAには、スエード生地のモデルも存在しました。
そして、1977年にはOLD SKOOLが登場。当初のモデル名は「Style #36」だったようです。
こちらもローカット・タイプとなりますが、ひときわ目を引くサイドのラインは「ジャズ・ストライプ」と呼ばれ、創業者Paul Van Dorenの偶然の落書きから生まれたとか。
スケートボードやBMXのライダー向けに開発され、つま先やヒール等、摩耗しやすい部分にはスエードを、サイドパネルには軽量なキャンバス生地が採用されています。
SLIP-ONは1978年から販売開始されたようです。当初のモデル名は「Style #98」。
このモデルは、ERAのレースレス(紐無し)版であり、足を滑り込ませるだけで簡単に脱ぎ履きできる、不朽の定番スニーカーとなりました。
また、SLIP-ONでは、アロハ柄もしくはボタニカル柄のものによく出会います。
そして、SLIP-ONで有名なのは、チェッカーボード柄ですね。
南カリフォルニアの若者たちが、白いSLIP-ONに黒のペンでチェック柄を描いているのを見た創業者が、それを製品化することを決意したものとされます。
さらに1982年公開の映画「Fast Times at Ridgemont High(初体験/リッジモント・ハイ)」にて、Sean Penn演じる主人公が、チェッカーボード柄のSLIP ONを着用したことで爆発的なブームを巻き起こし、一躍世界的なアイコンへと昇華しました。
また、このチェッカーボード柄については、多くのコラボ・モデルも登場しましたね。
1979年に販売が始まったのはSK8-Hiです。当初のモデル名は「Style #38」。
こちらは、VANS初のハイカット・モデル。足首をしっかり保護するデザインは、スケートボードのトリックの進化に対応したものでした。
OLD SKOOLで採用されたサイドのストライプ:「ジャズ・ストライプ」が印象的で、ハイカットならではの存在感がストリートファッションでも強く支持されることに。
ミュージック・シーンとの関係性も深かったVANSですが、こちらは、サンフランシスコ出身のヘヴィ・メタル・バンド:Laaz Rockitとのコラボ。
<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
ここまで、VANSが生まれた背景や定番モデルにフォーカスしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は、引き続きVANSの魅力にフォーカスすると共に、定番以外の隠れた名品・変わり種モデルを追ってみますので、お楽しみに!
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UniverGoods





















































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