Above The Rest!
 - VANS㊦ - 

 

 

スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画です。

 

第15弾では、VANSを取り上げています!

 

 

 

 

前回は、VANSが生まれた背景や定番モデルを辿ってみましたが、今回は、引き続きVANSの魅力にフォーカスすると共に、定番以外の隠れた名品や変わり種モデルを、可能な限り追ってみたいと思います。

 

 

この企画の目玉のひとつは、取り上げるスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただきました。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーを体感して下さい!

 

 

 

それでは、VANSの隠れた名品たちに登場してもらいましょう。

 

 

1970年代に生まれたとされるCHUKKAは、当初「#49」というモデル名でした。

 

紳士向けのシューズとなるチャッカブーツ・タイプのモデル。スケーターやサーファーが「激しいスポーツを終えたあとにリラックスして履く靴」として愛用した歴史があるとか。

 

 

Click! 紳士向けのチャッカブーツ・タイプのCHUKKA。

 

 

Check! ネイビー×レッド。

 

 

Click! カモフラージュ柄。

 

 

Check! スカルパイレーツ柄。VANSらしさのみならず、西海岸のカルチャーを体現するような風格。

 

 

CHUKKAには、スエード仕様のものもありました。というか、「CHUKKAといえばスエード」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんね

 

 

Click! スエード地のCHUKKA。

 

 

Check! ブラック×ブラウン。

 

 

Check! ブラウン。

 

 

 

そして、CHUKKAと同じ時期に生まれていたとされるのが、DEAN。

 

つま先部分のラバーキャップに独特な厚みと丸みがあり、シンプルなローカットながら足元に程よいボリューム感は、CONVERSEのJACK PERCELLを思わせます。

実際のところ、この頃のVANSは、モデルの多角化、つまり、バスケットボールやテニス、ランニングといった一般スポーツ市場へ進出を試みていた中で、CONVERSEのJACK PERCELL等に対抗するべく、開発されたモデルのようです。

 

 

Check! テニス等向けに開発されたDEAN。

 

 

定番のキャンバス地だけでなく、肉厚で風合いのあるスエード素材を採用したモデルも多く流通していたようです。

 

 

Check! スエード地のDEAN。

 

 

また、基本はローカットですが、当時は一部でミッドカット・モデルもリリースされていたようですね。

 

 

Check! 珍しいミッドカットのDEAN。

 

 

 

SERIOは、1982年から販売開始されました。

 

このSERIOシリーズも、一般的なスポーツカルチャーへ進出するために開発されたという背景を持っています。

 

スケートシューズ特有の厚いソールではなく、軽量なEVAミッドソールに薄底のラバーソールが組み合わせられ、アッパーは、軽量なナイロン素材をベースに、擦れやすい部分をスエード(天然皮革)で補強したものや、レザー製のものも確認できます。

このモデルでは、ランニングシューズを始め、テニス、バスケットボール、さらにはレスリングシューズまで、多岐にわたる競技用フットウェアがアメリカ製として広く展開されていたようですが、実際の球数は決して多くなかったということなのか、現在のヴィンテージ市場では、コレクター垂涎のモデルとなっているようです。

 

 

Click! VANSが一般的な競技用フットウェアとして開発したSERIO。同社には珍しいレザー製。

 

 

 

GODDARDが販売開始されたのは、1984年。当初のモデル名は「Style #24」。

 

こちらは、バスケットボールやテニスといった「コートスポーツ用」。その一環で、トウキャップ(つま先のラバー)付きのキャンバス・ハイカットスニーカーとして開発されたようです。

 

CONVERSEのALL STARに対抗するべく生まれたモデル、という推察は、どうしたって出てくるルックスですね。

 

 

Click! バスケットボールやテニスといった「コートスポーツ用」として開発されたGODDARD。

 

 

Click! ブラック×ミントのチェッカーボード柄のGODDARD。

 

 

 

1970年代から展開されていたと思われる、この「多角化路線」は、企業としてのVANSに一時期の困難を招いたようです。

急激な拡大を狙って、あらゆるスポーツシューズに手を広げすぎた結果、資金繰りが悪化。1984年には会社更生法の適用を受けるという憂き目に。この状況の中で、創業者:Paul Van DorenはVANSの経営から退くことにもなっていました。

 

 

しかしながら、凄いのはここから。

裁判所から「Paul Van Dorenを社長として復帰させることを条件に、更生手続きを進めて良い」との判断が出たことを受け、Paulは「徹底したコストカット」と「多角化戦略の見直し」により、3年で負債を完済、1991年にはナスダックに上場したというのです。

 

 

ということで、ここから続く「スケーター向け」に完全チューンされたモデル展開は、VANS復活の物語とも重なることになります。

 

 

そんな流れの中、1989年に生まれたのがCABALLERO。

 

VANSは、当時Powell Peraltaの伝説的チームで活躍していたSteve Caballeroをチームに迎え、彼の名前を冠したこのモデルを発売しました。

 

当時は大型ハーフパイプでのダイナミックな空中技が全盛だったため、足首を強固に保護するボリュームのあるハイカット形状が採用されました。

 

アッパーには肉厚なスエードが使われ、サイドパネルや履き口にはクロコダイル調の型押しレザーのアクセントがあしらわれていました。シュータンには彼を象徴する「龍(ドラゴン)」のグラフィックがデザインされているのも大きな特徴です。

 

 

Click! 1980年代の伝説のプロスケーターのシグニチャー・モデル:CABALLERO。龍のデザインが特徴のハイカット。

 

 

Click! ブラック×ブラウンのCABALLERO。

 

 

ストリートスケートの台頭に伴い、スケーターたちは足首の自由度を求め、このCABALLEROの履き口をハサミで切り落としダクトテープを巻いてミッドカットにするDIYを行うようになりました。この動きをCaballero本人が快諾しVANSへ提案したことで、1992年に公式ミッドカットモデル:HALF CABが誕生しました。

 

なお、「HALF CAB」という名称は、履き口を半分に切ったことだけでなく、Caballeroが開発したスケートトリック「ハーフキャブ」にも由来しているようです。

 

 

Click! ストリートのスケーターたちが、CABALLEROの履き口をハサミで切り落としダクトテープを巻いてミッドカットにする様子をヒントに商品化されたHALF CAB。

 

 

Click! グレーのHALF CAB。

 

 

Click! こちらはバーガンディ。

 

 

 

LAMPINは1993年に販売開始された、比較的新しいモデル。

 

ローカットで、比較的シンプルなデザインのモデル。1990年代のスケートやBMXカルチャーと深く結びつく中、AUTHENTICあたりと比較しても、ポテッとしたフォルムが特徴で、今に至るまで、コラボや復刻が繰り返されている人気モデルです。

 

 

Click! モデル名は「くつろぐ・ダラダラする」という意味のスラングに由来するLAMPIN。

 

 

Click! グレーのLAMPIN。

 

 

Click! ホワイト×ブラック。

 

 

 

1994年に販売開始されたのがEPOCH。「Style #73」とも呼ばれていたようです。

 

つま先部分に「T字型」の補強パーツが施されており、これが絶妙なボリューム感とクラシックな表情を作っています。

復刻やコラボモデルも多い、スケートシューズの隠れた名作です。

 

 

Click! 「T字型」の補強パーツが特徴のEPOCH。

 

 

 

同じ1994年に販売開始されたのは、SALMAN AGAH。別名「Style #65」。

 

伝説のプロスケーターのシグニチャー・モデルであり、1990年代のスケートカルチャーを象徴する名作スニーカーとなります。

シュータン(ベロ)には、彼のトレードマークである象のグラフィックの織ネームが配置されています。当時VANSが発売したプロシリーズの箱(シューズBOX)としても、この象のイラストが周囲にデザインされた専用ボックスが初採用されるなど、ブランド側からも非常に特別視されたモデルでした。

最大の特徴は、つま先部分を覆う分厚いラバー製のトゥキャップでしょう。当時はフリップ技の連発によってスエードのつま先がすぐに破れてしまう時代でした。アガーは耐久性を劇的に高めるためにこのデザインを発案しましたが、これが現在のスケートシューズや「ハーフムーン」と呼ばれるクラシックデザインの先駆けとなりました。

 

 

Click! 1990年代の伝説のプロスケーターのシグニチャー・モデル:SALMAN AGAH。

 

 

 

DIAMOは1995年に販売開始されたモデル。

アッパー全体に細かく張り巡らされた、飾りステッチ(デコステッチ)が特徴の、レースアップ・スニーカーです。

シュータン(ベロ)の脇がアッパーと生地で繋がった「ガセット付きのタング」が採用されることで、靴の中でベロがズレるのを防ぐと共に、スリッポンのように足を包み込む新感覚のフィット感を実現されました。

つま先部分(トウボックス)が少し高めに立ち上がっており、1990年代のVANSモデル特有のポッテリとしたボリューム感が特徴となります。

 

 

Click! 1990年代のVANSモデル特有のポッテリとしたボリューム感が特徴のDIAMO。

 

 

Click! バーガンディのDIAMO。

 

 

 

IMPALAも1995年前後に販売開始されたモデル。

肉厚なスエード生地、独特なカッティングのサイドパネル、そして、こちらも1990年代のトレンドを反映したボリューム感のある丸みを帯びたフォルムが特徴のモデルですが、アメリカ工場で生産されていたものがわずかだったことや、永らく復刻がなされてこなかったこともあり、一部マニアの間では高い人気を誇っているモデルのようです。

 

 

Click! 球数の少なさもあってマニアから人気のIMPALA。

 

 

 

VANSの魅力については、「シンプルで壊れにくい」「価格が手頃」というあたりに集約されて語られることが多い気がしますが、その歴史におけるかなり早い段階で、スケートボードの現場から生まれた機能性が追及され、そのままファッションアイテムとして昇華された稀有なブランドということが出来ると思います。

 

「ストリートからの影響」を受けずに展開できるスニーカーはほぼ皆無でしょうが、VANSの「ストリートとの対話」は特に「親密」なものだったと言えるのではないでしょうか。

ストリートによりDIYで行われる、自社モデルのアレンジや改良の動きをつぶさに見つめ、実際のデザインに反映してしまうという複数の逸話は、他のブランドではあまり見聞きしないものです。

 

加えるなら、これほどに、カリフォルニアという「土地」や「風」を感じさせるブランドも珍しいのではないでしょうか。

スケートやBMXのようなハードな競技シーンに堪え得る仕様を具現化しつつも、デザインや商品展開で「Chill」の概念がこれほどまでにしっかりと落とし込まれたブランドも少ない気がします。

 

 

 

<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>

 

 

 

「スニーカーのマスターピース」にフォーカスするブログ企画の第15弾は、VANSを取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか?

 

記事の下にあります「コメント欄」に感想をいただけると、担当「中の人」の励みになりますので、是非よろしくお願いします!

 

また、「このスニーカーを取り上げて欲しい」というリクエストもお待ちしております。筆者の力が及ぶ限りではありますが、お応えしたいと思っています!

 

 

ということで、次回もお楽しみに!

 

 

 

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