Ultimate Breaks & Beats – Vol.1 「HipHop界隈の聖典」が生まれた背景
2024年10月20日
1970年代、HipHopの震源地では
ブロンクスを拠点に1970年代の早い時期からDJとして活動していたKool Hercが、James Brownのようなファンキーな楽曲から、ダンスを持続させるのに適したパーカッション部分を切り出して、同じ2枚のレコードを繋げてかけたことが、Breakの始まりとされる。
このBreakが流れる中、パーティを盛り上げるためのフレーズや煽りを乗せるRapが始まり、Africa BambaataaやGrandmaster FlashといったDJたちにより、Breakネタのバリエーションが拡げられると共に、スクラッチを交えながらダンスを更に持続させる試みが行われた。
1980年代の中期には、クイーンズ拠点のMarley Marlらにより、サンプリングによるトラック制作が本格化し、そのネタとなるドラム音のニーズはさらに高まっていった。
■ハーレムの皆さん、こんな頃から道端で踊ってました。敵うワケ、ありません。
■Kool Hercってこんな人。
■映画「Wildstyle」より Grandmaster Flashの雄姿と当時のブロック・パーティの雰囲気も
■Marley Marlによるサンプリング仕事を、ザっとおさらいできます。
「聖典」の誕生
そんな中、レコード店主と白タク運転手を掛け持ちしていたLenny Robertsとレコード愛好家でDJのLou Floresにより1986年から1991年にかけて編集され、Street Beat Recordsからリリースされた25枚のコンピレーションアルバムシリーズが「Ultimate Breaks & Beats」(以下、UBB)だ。
このシリーズがリリースされる以前の1980年代初頭から、このBreak編纂の営みは「Octopus Breaks」というシリーズで着手されていた。ここでイリーガルに行われていたリリース活動を、権利的にクリアにさせた形でリスタートしたものがUBBということになる。
【引用】Discogs(画像押下で当該サイトへ)
これは、一般的な観賞用のレコードとは異なり、ヒップホップ黎明期のNYを中心にニーズが高まった「トラックメイカーのためのサンプル・ネタ」「DJがミックスやスクラッチを披露するためのネタ」が集められたものとなっているが、アルバムには曲名のみで、アーティスト名はクレジットされていない。
この「目的」「機能」のために、原曲とは異なるBPMで収録されることもあり、あるアーティストがトラックを紹介する際に「サンプリング元はUBBではない」と言っていても、コンパイラーであるふたりはその嘘を見破った、という。
リリース当時の価格は1枚1000円しなかったらしいことや、現在に至るまでリイシューが幾度となく繰り返されてきたことが、いくつか存在する「Breakネタ」コンピレーションの中にあって、このシリーズが突出して広まった大きな要因になっていたと考えられる。
■UBBのコンパイラーLennyとLou
【引用】Discogs(画像押下で当該サイトへ)
■UBBに関する詳細データ(収録曲名等)はこちらで確認
https://www.discogs.com/ja/label/807847-Ultimate-Breaks-Beats?page=1
【出典】
noblue
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一旦アップしてみましたが、まだまだ粗も多いかと。
なので、どんどんコメントいただき、ブラッシュアップ出来ればと思っています。
当時の映像も、もっとワクワク出来るヤツ、ありそうですからね!
追加情報、お待ちしています!