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- Nike AIR FORCE 1㊤ -
2025年7月12日
スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画。
この企画の目玉のひとつは、取り上げたスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただいています。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーをよりリアルに体感して下さい!
ということで、第4弾となる今回は、NikeのAIR FORCE 1を取り上げたいと思います!
AIR FORCE 1は、Nikeにより1982年に販売開始されたバスケットボール・シューズ。バスケットボール・シューズとして初めて「Nike Air」を採用したモデルで、その名は「アメリカ大統領専用機の呼び名」に由来しています。
「Nike Air」は、耐久性と柔軟性に優れた膜のなかに圧縮空気を注入することで、クッション機能を格段にアップさせたNikeの独自技術で、当初は、宇宙飛行士のヘルメット向けに研究が進められたようです。
そして、この技術に関する研究成果は、まず1978年にランナー向けに発売されたAir Tailwindとなって世に出されました。
ただ、この技術がバスケットボール・シューズに採用された直接的なきっかけは、トレッキング用のAir Approachというシューズだったようですね。
バスケットボールのプレー中に発生するジャンプ後の着地時における衝撃緩和のために、Bruce Kilgoreというデザイナーが、このAir Approachをヒントにしたということです。
この技術が盛り込まれた「ヒールのエアクッション」に加え、「アンクルのストラップ」、円形パターンを描く「アウトソールのピボットポイント」といった当時のNikeによる技術革新の粋を盛り込むことで、AIR FORCE 1は誕生したのでした。
AIR FORCE 1には、プロトタイプ的な位置づけになると思われる「最初期モデル」がありました。
通称「AIR FORCE 0(ゼロ)」。カラーリングは白×銀、甲にはベンチレーション(通気穴)が無く、その代わりにサイドパネルがメッシュ素材で作られました。
そして、こちらが1982年以降に市場へ投下されたAIR FORCE 1となります。
試作モデルだった「AIR FORCE 0」からは「甲にベンチレーションを追加」「サイドのメッシュは革に」といった仕様変更が図られ、生産は韓国で行われました。
当初ハイカットのみでの展開だったようですが、1983年からはローカットもラインナップに加わり、「冬はハイカット、それ以外はローカット」という季節別での販売戦略が取られたようです。
(オリジナルのローカットモデルの画像は、確認出来次第、追加します!)
現在のAIR FORCE 1と異なるポイントとしては、「デュブレ(靴ひもに付ける金属製のバッジ)」が無い、ヒールにスウォッシュが入っていないといった細かな点が挙げられますが、カラーリングの面ではお馴染みであるはずの「オールホワイト(白×白)」は展開されていなかった、というのは意外と知られていない気がします。
Nikeは、AIR FORCE 1の販売促進のため、6人のNBAプレイヤーを選出し、各人にオリジナルのAIR FORCE 1を配りました。この6人が世界で初めてAIR FORCE 1を履いてプレーしたバスケットボール選手であり、後に彼らは「オリジナル・シックス」と呼ばれるようになったとのことです。
Philadelphia 76ersからはMoses MaloneとRobert Clyde “Bobby” Jones(PUMA:ClydeのモデルとなったWalter “Clyde” Frazier Jr. とは別人)が、Portland Trail BlazersからはMychal George ThompsonとCalvin Leon Nattが、LA LakersからはMichael CooperとJamaal Abdul-Lateefが選ばれました。
アメリカ以外の外国籍で初めてNBAから1位指名を獲得したMychal George Thompsonを始め、当然のことながら凄いプレイヤーばかりです。
こうして「Nikeの新機軸」として1980年代の業界の話題をさらったAIR FORCE 1ですが、いわゆる「オリジナル」が発売されていた期間はとても短いものでした。
1985年に、AIR JORDANというモンスター・アイテムが販売開始されたこと、そして、AIR FORCE 2が販売開始されたことを受け、1986年にAIR FORCE 1は生産を一旦終了することに。
AIR FORCE 1のオリジナルとしての販売期間は、わずか5年。この事実もあまり認識されていないのではないでしょうか。
しかしながら、AIR FORCE 1自体が終わったわけではありませんでした。
その人気というか市民権みたいなものは、この「生産中止」以降に拡大のスイッチが入ると共に、その存在が種となって後進モデルの登場が脈々と続いていくのです。
<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
ここまで、AIR FORCE 1が生まれた背景やオリジナルのモデルにフォーカスみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は、引き続きAIR FORCE 1にフォーカスすると共に、AIRを搭載した後続モデル等を追ってみますので、お楽しみに!
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