Above The Rest!
- Keds PRO-Keds㊦ -
2025年12月7日
スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画です。
第9弾では、KedsのPRO-Kedsを取り上げています!
前回は、Kedsが生まれた背景やPRO-Kedsのバスケットボール市場におけるモデルを辿ってみましたが、今回は、引き続きPRO-Kedsの魅力にフォーカスすると共に、ROYAL MASTERを中心にしつつ、バスケットボール市場以外のモデル等も、可能な限り追ってみたいと思います。
この企画の目玉のひとつは、取り上げるスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただきました。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーを体感して下さい!
(日本では「ROYAL PLUS」と呼ばれることの多い)ROYAL MASTERは、1969年に世に出ます。
ROYAL MASTERは、アッパーがスエードで作られ、当初はナチュラル、ブラック、ゴールドの3色で展開を開始しました。
最初はアメリカで生産されていましたが、その後コロンビアへと移行していきます。
その後、ROYAL MASTERは、1970年代に入ってカラバリを8色まで充実させます。
※上記以外にライトブルーとパープルが存在しますが、筆者は現時点で未確認ですので、確認出来次第アップします!
ROYAL MASTERにおいては、ローカットのみならずハイカットも展開されていました。
なお、ROYAL MASTERには、コロンビアやアメリカで生産されたもの以外に、スペイン製も存在します。
ところで。
前回、このROYAL MASTERに関する「ややこしいハナシ」を披露しましたが、ややこしさはその後も続きます。
今度は、アメリカで別のモデルが「ROYAL MASTER」と呼ばれるようになり、それまで「ROYAL MASTER」と呼ばれていたものが「ROYAL PLUS」と呼ばれるようになるのです…。
日本における「呼び名の変遷」は、アメリカでのこういった動きの影響を受けていることは確かな気がしますね。
こんな経緯からは、日本でこのモデルが「ROYAL PLUS」という名で浸透されていったことについては、間違いでも何でもないと思われます。
ただ、本ブログの流れ上、便宜的に「ROYAL MASTER」という米国オリジナル名を使っていることについて、ご理解いただければと思います。
そして、ここ日本におけるROYAL MASTERの位置づけについて考える時、この方の存在を無視することは出来ないでしょう。
1990年代に入り、藤原ヒロシ氏が「PRO-Kedsのコロンビアでの生産が終わるかもしれない」状況を知り、「ラスト・コロンビア」と銘打って、PRO-KedsのROYAL MASTERを取り上げたことは、このモデルの日本における位置づけを、ストリート側から捉え直させたように思います。
そして、ここまでバスケットボール市場に投下されたPRO-Kedsのモデルにフォーカスを当ててきましたが、PRO-Kedsは並行してテニス市場にも進出しています。
こちらが、PRO-Kedsとして初めてのテニス・シューズとなるCOURT KING。
登場したのは、PRO-Kedsが展開され始めた時、つまり1950年代に入る前となる、大変歴史のあるモデルになります。
そして、こちらが、1960年代後半から展開されていたとされるUSLTA。
アッパーがメッシュ素材で作られた通気性の高いテニス・シューズになっています。
そして、こちらがRACEWAYと思われるモデル。
陸上競技というよりは、ジョギング・ブームを受けて生まれたと思しき、スタイリッシュさ、ですね。
1980年代あたりまでのPRO-Kedsは、まさしく「プロ仕様」の競技用シューズとして、筆者が確認できているだけでも、バスケットボール、テニス、ランニングと、いくつかのスポーツ市場に参入し、様々なモデルを発表してきたようです。
一方で、最近のKedsはといえば、レディースがメインのシューズブランドとなっていて、主にキャンバススニーカーやデッキシューズを中心に展開しているようですね。
近年ではTaylor Swiftをプロモーションに起用する等したことで、人気は加速しているとか。
彼女が履いているのは、CHAMPION OXFORDをベースにしたコラボ・モデル。これも、Kedsの歴史を織り成すクラシック・モデルですね。
このように、多くのスニーカー・メーカーと同様、このKedsも市場やシーンにおける立ち位置を大きく変えてきました。
しかしながら、前回で触れた「スニーカーの原点」という歴史上の立場、そして特にROYAL MASTERに認められる、競技やファッションを股にかけた存在感は、その可愛らしい意匠に反して、なかなかの迫力というか、重量感を伴うもののように感じています。
<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
「スニーカーのマスターピース」にフォーカスするブログ企画の第9弾は、PRO-Kedsを取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
記事の下にあります「コメント欄」に感想をいただけると、担当「中の人」の励みになりますので、是非よろしくお願いします!
また、「このスニーカーを取り上げて欲しい」というリクエストもお待ちしております。筆者の力が及ぶ限りではありますが、お応えしたいと思っています!
ところで、ここで、このブログ企画のタイトル「Above The Rest!」の由来については、触れておきましょう。
このブログ企画の第1弾にも登場したNBAプレイヤーのカリーム・アブドゥル・ジャバーが、1976年にadidasと契約し「Tournament」というモデルを発売しました。
その際に使われたキャッチコピーが「HEAD-AND-SHOULDERS ABOVE THE REST!」だったのです。
これを直訳すると「頭も肩も他人の上にある」となりますが、このキャッチコピーでは、ジャバーの必殺技「スカイフック」が「高い位置からのシュートだったため極めて防ぐのが難しかった」ことに例えられたようです。そして、一般的には「際立っている」「群を抜いている」という意味に使われることもあるようですね。
本ブログは、「スニーカーの銘品・傑作」たちに登場してもらう企画ですので、そのアイテムの「際立っている」様をうまくお伝え出来れば、という思いを込めて、タイトルに拝借しました。
ということで、次回もお楽しみに!
関連するブログへは、以下からアクセス出来ます。
UniverGoods
















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