Above The Rest!
- Keds PRO-Keds㊤ -
2025年12月7日
スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画。
この企画の目玉のひとつは、取り上げたスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただいています。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーをよりリアルに体感して下さい!
ということで、第9弾となる今回は、KedsのPRO-Kedsを取り上げたいと思います!
Kedsは、1917年にUS Rubber Companyによって設立されたブランドです。
このブランド名は、「子ども」の“Kids”とラテン語で「足」を意味する“Peds”に由来します。
Kedsは、商品展開をし始めた当初、当時のスニーカー相場の1/10の価格帯で展開したと言われ、安さのみならず、品質の高さでも人気を博したとされます。
また当時のアメリカ市場では、ニューヨークを中心とした東海岸側ではケッズ派が多く、カリフォルニアを中心とした西海岸側ではコンバース派が多かったことから、特にここ日本では「東のケッズ、西のコンバース」と形容されていたようです。
また、そもそも「スニーカー」という呼び方もKedsのシューズに対するものが始まりだったとか。
「Kedsのシューズを履いていれば、忍び足(sneak)をしているかのように気づかれない」という評価が元になり、「スニーカー」という言葉が広まっていったという説があるのです。
このブログ企画シリーズでも、Nike、adidas、PUMA、CONVERSEといったスニーカーの巨人たちのストーリーを追ってきましたが、Kedsは彼らの更に前の段階でその歴史を始めていたという存在なワケで、特に現存するメーカーとしては「スニーカーの原点」と言ってもいいのかもしれません。
競技用として生まれたKedsですが、1940年代には自らに、ファッション・アイテムとしての位置づけを加えており、これは、CONVERSE、adidas、Nikeあたりと比較しても、相当早い動きと言えます。
そんなことを証左するように、ワールドクラスのVIPたちがKedsを着用し、そのことはそのままプロモーションにもなって、「世界のKeds」としての存在感を示していくこととなりました。
上が、1952年公開の映画「真夏の夜の疼き」でKedsを着用するモンロー。
そして下が、1967年公開「いつも2人で」ヘップバーン。
こういった写真の1枚1枚がもたらしたであろう絶大な効果は、これが70年も前のことであることも含め、推して知るべし、でしょう。
そんなKedsは、1949年になってプロ仕様のラインとなるPRO-Kedsを展開し始めます。
このラインを引っ提げ、Kedsはテニスやバスケットボール業界へ参入することになるワケですが、特に当時のバスケ市場では、先に参入していたCONVERSEとの競合が激しいものだったようです。
「どちらが軽いか、ご確認ください」
この宣伝用ポスターは、1970年代のものと思われますが、PRO-KedsのモデルとCONVERSEのAll Starとで、重さの計り比べをした比較広告となっています。
アメリカでは、たまに見聞きするハナシですが、それにしてもやり方があからさま…。
少し時代を戻すと、1960年代に入る前になって、PRO-Kedsのモデルとして、U.S. ROYAL(日本ではROYAL AMERICA)が登場します。
このモデルは、1960年代のNBAプレイヤーたちの足を飾っただけでなく、1970年代にはアイビー・ファッションの重要アイテムとして取り入れられ、数多あるスニーカーの御多聞に漏れず、スポーツやファッションの世界を股にかけた存在感を放ったのでした。
始めはローカット仕様でスタート、その後ハイカット仕様が展開されたようですね。
PRO-Kedsのアイコンとなるソールサイドの二本線:パワー・ストライプは、このモデルから入っていますが、これは実は「ソールの接着部分をカバーするため」だったとか。
そして、いよいよ1969年になってROYAL MASTERが世に出ます。
ただ、このROYAL MASTERには、その詳細な紹介に入る前に、早めに解きほぐしておかなくてはならない、ややこしいハナシが存在します。
アメリカで生まれたROYAL MASTERが、その後何故か日本では「ROYAL PLUS(もしくはROYAL PLUS Suede)」と呼ばれるようになるのです。
しかも、アメリカではROYAL PLUSなる「日本でいうところのROYAL PLUSとは異なるモデル」が存在するという…。
それが、コチラ。
この「アメリカでいうところの」ROYAL PLUSは、フォルムはROYAL MASTERと一緒ですが、アッパーの素材がメッシュとなっています。
こういった経緯を踏まえ、このブログでは、このふたつのモデルにまつわる誤解や混乱を避ける観点から、日本で「ROYAL PLUS」と呼ばれるモデルを、あえて「ROYAL MASTER」とさせていただきます。
ということで、次回、華麗なるカラバリの紹介と共に、ROYAL MASTERの詳細に迫りたいと思います!
<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
ここまで、Kedsというブランドが生まれた背景やバスケットボール市場におけるPRO-Kedsモデルにフォーカスしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は、引き続きPRO-Kedsの魅力にフォーカスすると共に、ROYAL MASTERを中心に様々なPRO-Kedsモデルを追ってみますので、お楽しみに!
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