Above The Rest!
 - adidas STAN SMITH㊤ - 

 

 

スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画。

 

この企画の目玉のひとつは、取り上げたスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただいています。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーをよりリアルに体感して下さい!

 

ということで、第2弾となる今回は、adidasのSTAN SMITHを取り上げたいと思います!

 

 

この「白スニ」の名品:STAN SMITHの特徴としては、「シンプルで洗練されたデザイン」「レザーを材料としていながら、ベンチレーション(通気口)が採用されている点で画期的」というあたりになるかと思われます。

これらの特徴は、ファッション性と機能性を併せ持った「機能美」というこのシューズの生命線にそのまま繋がったワケです。

 

よく言われる「川久保玲が愛用」という話を引き合いに出すまでもなく、例えば、「ストリートからの支持」を大きな強みとしていたSUPERSTARと比べても、その「スマートさ」は群を抜いているといえるでしょう。

早い段階からタウン・ユースとしてのニーズが高まり、そのスタイリッシュな意匠が、ビジネス・シーンも含めて、様々なコーディネーションのイメージを喚起させ続けて久しいワケで、そんなこともあってか、このSTAN SMITHについては「世界で最も売れたスニーカーとしてギネスに登録されている」という話がよく出てきます。

ただ、本当の「世界で一番売れたスニーカー」は「ConverseのAll Star」のようですね。Converseは販売数を把握できず、ギネスに申請していないだけだったとか。

 

 

第1弾で取り上げたadidasのSUPERSTARは、バスケットボールというスポーツを通じて、そのメッカとなる米国への参入という大きな挑戦の武器として、開発されました。

一方で、今回のSTAN SMITHは、欧州で盛んだったテニスのフィールドで生まれたスニーカーです。

 

このadidasを代表するふたつのスニーカーは、使われた競技やターゲットとなった国こそ異なりますが、いずれも「元ネタがあり、仕様見直しを重ねる中で完成形に辿り着いた」という点では共通していると言えそうです。

 

 

SUPERSTARにSUPERGRIPという元ネタがあったのと同様、STAN SMITHにはRobert Hailletという前身となったモデルがありました。そして、このRobert HailletもTennisというモデルを参考に作られています。

Robert HailletもTennisも1964年の発売ですが、Robert Hailletは「Tennisの廉価版」として位置づけられ、1970年代前半まで販売されていたようです。

 

STAN SMITHの前身モデル:Robert Haillet。その意匠は、現在のSTAN SMITHのイメージと大きく異なるところはなく、早い段階でのテニス・シューズとしての完成度を感じさせる。

 

その後、テニス・プレイヤーのStanley Roger Smith氏がこのHailletモデルを愛用し活躍したことから、adidasとして1973年にSTAN SMITHというモデル名で販売を開始したというわけです。

当時は、このSTAN SMITHも、SUPERSTAR同様、フランスで生産されていました。

 

 

ただ、この辺の経緯からは若干「ややこしい」状況が生まれました。

STAN SMITHというモデルが発売されて以降も、その表記の仕方等にいくつものバリエーションがあるのです。

adidasにおけるテニス・シューズの「Robert HailletからSTAN SMITHへの移行期」に認められる変遷ということになると思いますが、STAN SMITHの初期モデルは「STAN SMITH HAILLET」と呼ばれてきました。

 

 

STAN SMITHの販売開始当初は「ベロにHailletの表記入り」となっており、最初期はシューズ側面にこそSTAN SMITHの表記」があるものの、ベロには入っていなかったようです。

なんとも、ややこしい…。ただ、このややこしさは、その後もしばらく続きます。

 

 

HAILLET表記の下に、Stan Smith氏の「老顔」が…。

 

その後、「ベロにHailletの文字とSTAN SMITHの顔イラスト入り」の時期がありました。いわゆる「老顔」と呼ばれるパターンですね。

この頃のヒールパッチはベロアだったようです。

 

 

ヒールパッチがビニール製に

 

その後、踵部分がベロアからビニール製へと変更されていきます。

 

 

そしてついに、表記とイラスト共にSTAN SMITHに!ただし、この段階ではまだ「老顔」。

 

その後、ベロから「Hailletの文字」が消え「STAN SMITH」の表記が入ったことで、漸く「完全なるSTAN SMITH」モデルとなったのは1978年です。

 

 

このなんともややこしい変遷ぶりの裏には、きっと「契約面での事情」があったんでしょうが、Haillet氏とSmith氏はどんな気持ちだったんでしょう?

だって、商品名は「STAN SMITH」でありながら、ベロには「HAILLET」の名が刻まれ、その下にはインパクトもばっちりの「Stan Smith氏の顔」がイラストで描かれているワケですよ!

 

 

<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>

 

 

ここまで、STAN SMITHが生まれた背景や前モデルからの移行期にフォーカスみましたが、いかがでしたでしょうか?

 

 

次回は、引き続きSTAN SMITHにフォーカスし、デザインや仕様の変遷を追ってみますので、お楽しみに!

 

 

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