This Is It!!
これがみんなのMTV - ③Poppers MTV –
2026年4月29日
「ここ日本において、かつて隆盛したMTV」について考えるブログ企画です。
このテーマはもともと、当サイトで運営しているThreadsのアカウントで投げかけたお題でした。
結果、まだ駆け出しの弱小アカウントにしては、なかなかの盛り上がりをみせ、返信をいただいた皆さんの声からは「MTVというものが、いかにこの国の洋楽文化の浸透に影響を及ぼしたか」を実感させていただくに至り、いくつか存在したMTV番組を改めて振り返ってみたい!との思いの下、このブログ企画にさせていただいた次第でございます。
Threadsにおける返信投稿の中で、情報をいただいたみなさんに、この場を借りて御礼を申し上げます!
ここで企画の主旨を改めて。
ブログのタイトルでいうところの「みんな」とは、一旦「この国において1980~90年代に洋楽文化の洗礼を浴びた」方々を想定しています。
この企画では、そんな方々が「当時、耳に、目にしたであろうアーティストたちのPV」に登場いただきます。
(この「Promotion Video」なる呼び方も、あの時代ならでは、ですね)
MTVという番組スタイルは、今となってはすっかり定着し、新曲をプロモートする上でもなくてはならない媒体。
そんな中にあって、このブログ企画で扱う「1980~90年代を中心に放送されたMTV」は特に、そのジャンルに関わらず、日本全国の音楽好きが、否、特に音楽が趣味ではなかった人々に対しても、その映像の力でもって、「洋楽耳」なるものを植え付けた媒体、だと考えます。
この時代を多感な頃として生きた方々にはきっと共感いただけるであろう「日本の洋楽リスニングの初期衝動」を、たっぷりの懐古趣味も含みながら、改めて炙り出せたらなと考えている次第です!
ということで、最終回となる今回は「Poppers MTV」を。
司会を務めるは、ご存知Peter Barakan氏。
彼はイギリス人ですが、日本の音楽出版社の仕事が縁で来日、その後、YMOと行動を共にするようになり、一部楽曲では作詞も行っていた方です。
この番組の司会は、所属していた事務所から独立して以降に始めたようですね。
放送期間は、1984.4~1987.9の3年間。
3年? ありがちなハナシですが、もっと長くやってた印象があります。
放送時間は深夜でしたね。
当時まだ中学生や高校生だった筆者は、専ら「ビデオ録画」で視聴していたワケですが、「この80年代という時代の深夜番組」という立ち位置が、制作スタンスに影響を及ぼしただけでなく、今も語り継がれるような支持に繋がっていたことは確かかなと。
歴代の司会者を並べてみます。
森川由加里(歌手)、森岡みま(コズミック・インベンションの元メンバー)、小島恵里(歌手)、鮎川麻弥(歌手)、五島静(NHK「YOU」の元アシスタント)、青山久美(「11PM」の元カバーガール)…。
名前を聞いて全ての顔を思い出せるわけではないものの、懐かしい!そして、人選が面白い!と改めて。
選曲は、スタッフが集めてきた素材を基に、Peterさんが選曲していたようですが、この時代の英国音楽、つまりニュー・ウェーヴと言われる作品が中心でした。当時の日本では、決して情報が豊富ではなかったこのジャンルについて、Peterさんがとってくれたポリシーは「PVはノーカットで流す」だったとか。有難い限りです。
それでは、番組が放送されていた期間にリリースされ、筆者の中で番組で流された記憶のある作品、ということで観ていきましょう!
番組が始まった1984年の作品、まずは、Art Of Noise“Close(To The Edge)”から!
曲自体の先進性に映像が追い付いていない、なんて言い方は元も子もない気がしますが、まぁそんなに予算があったワケではなかったのかも…そんな背景ばかりが伝わってきます。
でも、何か新しいこと、既成概念を壊すようなことがしたいというエネルギーは感じますね。
お次は、Depeche Mode“People Are People”を。
これも番組内でよく取り上げられていた思い出があります。当時は、テクノポップの流れで聴こうという耳だった気がしますが、今の耳には、かなりにインダストリアル。なのに、しっかりメロディック。よく出来た曲だと思いますし、PVの仕上がりもなかなかかと。
Everything But The Girlの“Each And Every One”なんてのもかかっていた気が。
個人的には、楽曲は確かな耳残りとなっている一方で、映像の印象はそう強くない感じでしょうか。
ただ、この曲あたりを取り上げるPeterさんから、Blanco Y Negro、Cherry Red、といったレーベルの面白さを教わったことは事実です。
こちらも忘れてはなりません。Scritti Polittiの“Wood Beez”です。
ヴォーカルを担うGreenの見目麗しいルックスに依存し過ぎの感もあり、のPVですが、動くGreenを観れたのは、当時とても有難いことでした。ホントに、この人がこの声出してたんだなって。
サウンドの凄さは、今も変わりません。
こんなのも、よくかかっていた気が。David Sylvian“Red Guitar”。
何十年振りかに聴きましたが、なんとダークな曲でしょう!ってな印象と、それに輪をかけて暗くて乾いた映像、何故かよく覚えています。
一転してこちらは、Thomas Dolbyの“Hyperactive!”。
これも番組で何度か観た記憶がありますが、改めて「ニュー・ウェーヴ然り」なPVですね。新しいものに対する渇望にも似た色々な仕掛けは、楽曲の展開ともよくマッチしていると思います。
そして、こちらは米国でもヒットしたEurythmicsの“Here Comes The Rain Again”を。
彼らの名を世界に轟かせた“Sweet Dreams”の後のシングルカットだったはずで、当時は“Sweet Dreams”を越えてはいないな、なんて思っていた記憶がありますが、今の耳には「この曲、とてもイイな」と。
なお、「Poppers MTV」は毎年、番組の1年を振り返り、「番組大賞」を選んでいたのですが、このPVは栄えある「第1回番組大賞」に選ばれていましたね。
そして、ここからは1985年の作品を。
まずは、Godley & Creme“Cry”から。
いや~、引き込まれますねぇ…。CGなんぞ現れていない時代のビミョーながらも味わい深さ満点の映像処理。
カットアップされたセリフは、10cc“I’m Not In Love”からの一節も含まれるとか。
でも、このPV、番組内では一度も流されていないんじゃないか説もあり…。
ところで、突然ですが、ここでクイズです。最後から2番目に出てくる「メガネのおじさん」、だーれだ?
そして、こちらがBryan Ferryの“Slave To Love”。
Roxy Musicの「Avalon」に心酔していた高校生の筆者には、この世界観は「香水とポマードの匂い」しかせず、なんだかピンと来なかった記憶がありますが、改めて聴くとそのサウンド的には「Avalon」からの継承を確かに感じたりも。
そして、Simply Redの“Holding Back The Years”を。
いやぁ、改めて良い曲だなぁと。確か“Money’s Too Tight”の後がこの曲だったはずなので、当時の耳にも沁みてた気がします。
ヴォーカルのMick Hacnall、可愛い顔してますが、結構ゴリゴリのパンクみたいですね。他のメンバーもDurutti Columm出の人たちみたいですし。
そして、Prefab Sproutの“When Love Breaks Down”を。
日本では少し遅れて、車のCMに使われたので、私もそちらの印象が強く、このPVは記憶にございませんでした。
しかしながら、この曲の甘酸っぱさには、何の経年劣化も認められません。タイムレスな名曲と思います。
続くこちらが、Dream Academyの“Life In A Northern Town”。
こちらも、日本ではいくつかのTVCMで使われていたので、このPVの印象は薄いかも…。
でも、この「牧歌的」を絵に描いたような映像は、楽曲の魅力を引き立てて余りあるような。
自分にとって、前のPrefab Sproutとこの曲は、何故かいつも隣り合って存在しています。
この年のトリを務めていただくのは、この曲、Elvis Costelloの“I Wanna Be Loved”でございます。
楽曲の素晴らしさもさることながら、映像でも引き込んできます。コンセプトが似ている気がする意味でも、自分の中では、前出のGodley & Cremeと双璧でした。
そして、この「Poppers MTV」という番組を象徴するPVでもあった気が。それを証左するかのように、このPVは、「第2回番組大賞」を受賞、番組の最終回でも流されたPVでもあったのでした。
ここからは、1986年の作品を。
Smithですと、“The Boy With The Thorn In His Side”でしょうか。
監督はデレク・ジャーマンということですが、私、今回このPVを鑑賞しても、その片鱗は掴めませんでした。
そんなことより、Morriseyのナヨナヨ加減とJohnny Marrの端正な顔立ちに、新鮮な驚きを感じてしまいました。
そしてこちらも、米国でもヒットしたPeter Gabrielの“Sledgehammer”。
彼の作品としては、かなりのポップ路線、PVについても楽しい作りになっていますが、随所随所で彼の狂気みたいなものが滲み出ていて、なかなかイイ感じの作品と思いました。「踊る、首無しチキン」が懐かしかった!
ということで、こちらは「第3回番組大賞」作品だったのでした。
こんな曲も記憶に残ってます。Chris Reaの“On The Beach”。
曲は素晴らしいのですが、映像的には、特筆すべきところの無い…なんていうのは言い過ぎでしょうか?
Peterさん、ラジオなんかでは、よくかけてた記憶が。
こんなのもありましたね。Kraftwerkの“Musique Non Stop”。
高校生だった筆者には、中学までのテクノ魂を呼び戻されたものでしたが、今聴くと、当時のアメリカのミドル・スクール・ヒップホップからの「逆輸入」を感じさせるドラムの鳴りに、新たな発見もあったり。
Talking Headsですと、番組では、この“Wild Wild Life”をかけていた気が。
自分でセレクトしておいて何ですが、こんなPVでしたっけ?っていうくらい、なぜか「曲の印象」より「映像の印象」が薄かったです。
この番組でのXTCは断然コレ!“Grass”です。
こちらは映像含め、よーく記憶に残ってます。個人的には、このグループに求めていた曲ではなかったですが、すぐに好きになった記憶が。
ここからは、1987年のものを。
Style Councilだと、この曲がチョイスされていた印象が。“It Didn’t Matter”です。
“My Ever Changing Moods”でなければ、“Long Hot Summer”でもなく、この番組ではこの曲との印象が。それにしても、Dee C. Leeが可愛い!
マクセルのCMでも使われてましたね!
そして、Blow Monkeysだと“It Doesn’t Have To Be This Way”でしょうか。
私だって“Digging Your Scene”は大好きです。でも、この番組での印象は、この曲の方が上。
Dr. Robert、顔が怖い!というのが、今回の発見でした。
ということで、「ここ日本において、かつて隆盛したMTV」について考えるブログ企画の最終回「Poppers MTV」篇、いかがでしたでしょうか。
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