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- adidas LEISURE Series -
2026年3月28日
スニーカーの銘品・傑作にフォーカスし、歴史や文化的背景も織り交ぜながら、その魅力に迫るブログ企画。
この企画の目玉のひとつは、取り上げたスニーカーを画像で確認出来ること。これを実現するにあたっては下北沢のヴィンテージ・スニーカー・ショップ:somaさんにご協力をいただいています。世界に誇るsomaアーカイブを通じて、偉大なるスニーカーたちのストーリーをよりリアルに体感して下さい!
ということで、第13弾となる今回は、adidasのLEISUREシリーズを取り上げたいと思います!
このLEISUREシリーズは、1970年代から80年代にかけてadidasがリリースした、世界各地の島やリゾート地の名前を冠したスニーカーのコレクションになります。
デザイン的には「スエード地にスリーストライプスがあしらわれたアッパーに、ガムラバーのソール」という作りを共通項に、「競技用」というよりは「レジャー用」として開発されたモデル群になります。
adidasはこの時期、「LEISUREシリーズ」と並行して「CITYシリーズ」の名の下、世界の都市名を冠したコレクションを展開していました。
このあたりは、本ブログの第6弾で触れていますので、是非そちらもご確認いただければと思いますが、押さえておきたいのは、これらのadidasの動きは、「非競技用スニーカー」の展開という大きな方向転換を示すものであり、adidasのみならずスニーカー業界全体にとっても大きな節目となっただろうことでしょう。
また、このシリーズを取り上げるにあたっては、「呼び名」問題に触れておいた方が良さそうです。
「ISLANDシリーズ」という呼び方を見かけることってないですか?
個人的に雑誌やネット上を見る限り、結構、というかほとんど、この「島シリーズ」なる呼称しか見かけないのですが、これ、あまり良く無さそうです。
日本語と同様、この「ISLAND」という言葉には、差別的な意味合いが含まれてしまうようなんです。
なので、本シリーズの製造元であるadidasも「ISLANDシリーズ」なんて呼び方はしていないようなんですね。
ということで、あくまでも「LEISUREシリーズ」で、よろしくお願いいたします。
それでは、「LEISUREシリーズ」を構成するモデルについて、可能な限り触れていきましょう。
まずは、1969年に登場したTOBACCOから。
「乾燥させたタバコの葉と色が似ている」ことに由来したモデル名のようですが、「中央アメリカはベリーズの島:タバコ・ケイ」からその名を取っているのではないか、との説もあるようです。
この後に触れる「TAHITI」を始めとするいくつかの派生モデルを生んだことから、「LEISUREシリーズ」、ひいては一連の「カジュアル・スニーカー」の元祖とされるモデルです。
市場に投入されて以降、1970年代のTOBACCOは、フランスで生産されました。
なんでも最初期モデルには三本線は無かった、とか。
それが、1970年代初期になって三本線が入ったようです。ベロにはadidasの刻印やシール表示がなされていました。
1970年代前半には、ベロにトレフォイルマークが入った一方で、前のモデルに比べ、ヒールパッチが少し大きくなりました。
そして、1970年代後半からは、ヒールパッチが更に大きくなりました。
その後、ベロの表記が金になります。
なお、1980年代に入ると、ラインやヒールパッチの毛羽たちが少なくなるという仕様に変わります。
これらフランス製は1980年代で一旦終了しましたが、1990年代に入って少し経ったあたりで再稼働したようです。
その頃から、カナダ、ハンガリーといった形で様々な生産国が拡大していったことも確認されています。
こちらは、1980年代から登場したルーマニア製。
1990年代に入ってからはスロベニア製も。カラーリングは、ネイビーです。
次に、TAHITIを。
南太平洋はフランス領ポリネシアの「タヒチ島」に由来。「TOBACCO」のネイビー・バージョンとして、1970年代に入ってリリースされたカジュアル・シューズの人気モデルです。
このTAHITIには、カラバリもあったようですね。
お次は、イタリアからフランスまでかかった地中海沿岸の高級リゾートに由来するRIVIERA。
TOBACCOとほぼ同じ時期に、1971年からCARIFORNIAやFLORIDAと共にシリーズ化されたモデルのようです。
そして、1970年代後半に登場したHAWAII。
SAMOAといった派生モデルを生んだ、とのこと。
最後に、東南アジア南部の島国、インドネシアの島のひとつに由来するJAVAを。
今回、このJAVAには、カラバリがあることを確認しました。
今回、somaさんのご協力を得て、現物確認出来たものは以上となりますが、この「LEISUREシリーズ」には、他にもたくさんのモデルが存在します。
adidasのカタログ等で確認できたモデル名を列挙しておきますね。
(今後、現物確認が出来たものについては、こちらに情報を追加していきます)
CANCUN:メキシコ南東部の都市で、カリブ海に面したビーチリゾートから。
BERMUDA:北大西洋にあるイギリス領の島々から。1980年代にネイビーで始まり、茶も登場。
JAMAICA:中央アメリカ、カリブ海の島国から。
KORFU:地中海東部に位置するギリシャの島から。
TRINIDAD:カリブ海の島国から。1970年代にリリースされた「タバコ」のカラバリモデル。トリニダード・トバゴ共和国の国旗の色、赤と黒を落としこんでいるとされる。
BARBADOS:東カリブ海の島から。1980年代にアディダス・カナダの企画で製造された「タバコ」タイプのレジャー用シューズ。
BALI:1970年代後半に登場。アッパーはTAHITIと一緒の仕様。青で始まり、その後、茶に。
AZZURRO:1970年代半ばに誕生した「アディダス・ジーンズ」タイプのレジャーシューズ。イタリア語で「青」の意味。
IBIZA:スペイン領、地中海西部の「ヒッピーの聖地」としても知られる島から。1970年代半ばに登場したレジャー用シューズで、厚手のブラックソールが特徴的。
FIDJI:南太平洋の島国から。1980年代初頭に登場。
PALMA:スペインマヨルカ島西部のリゾート地から。
このLEISUREシリーズは、発売当初、世界中で人気を博しただけでなく、その後も、繰り返し復刻事例が出ていました。
その人気の根っこには、「ファッション重視」というコンセプトがあったのみならず、「普段使いとしての履き心地の良さ」との評価も存在していたように思われます。
この新たなコンセプト設定によって、新たな柱を打ち立てたところに、adidasのマーケティング上の強みが存分に発揮されたことは確かでしょう。
ただ、それまで主に「競技用」つまり「勝つための機能」における競争を主戦場としてきたadidasが取った「レジャー用」なる新たな戦略は、adidasへ大きな成功をもたらした一方で、スニーカーの生産において「機能美」を生み出す、という構造からは、結果的に距離を置いたことにもなったように思います。
このことは、少なくともヴィンテージスニーカー・ファンの目線からすると、「功罪あった」戦略変更として映るのではないでしょうか。
言い換えるなら「機能美って、狙って生まれるものじゃないんだよなぁ」という、なんとも複雑でワガママなご意見、とでも言いましょうか…。
とはいえ、この戦略変更は、この「LEISUREシリーズ」自体の魅力を損なう要素にはならないでしょうし、何を隠そう筆者もTOBACCO愛用者であり、ネイビー版のTAHITI欲しい!なんて思っている次第で…。
あー! これだけリゾート地の名前を聞かされると、流石にどこか行きたくなってきた!
<画像を押下すると、それぞれの商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
「スニーカーのマスターピース」にフォーカスするブログ企画の第14弾は、adidasのLEISUREシリーズを取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか?
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また、「このスニーカーを取り上げて欲しい」というリクエストもお待ちしております。筆者の力が及ぶ限りではありますが、お応えしたいと思っています!
ということで、次回もお楽しみに!
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