世界の音楽クリエイター列伝
- Allen Toussaint㊥ -
2026年2月11日
プロデューサーやミュージシャンを問わず、音楽の世界で光を放った才能に迫るブログ企画です。
この企画では、取り上げられた人物のバイオグラフィーを辿りながら、関わった作品を可能な限りご紹介。掲載されたジャケ写等をClick!していただくことで、リンクされた「アイテム投稿」のページでその作品のさらに詳細な情報を確認しながら、ネット動画の力を借りて実際に視聴も出来ます!
第2弾として、Allen Toussaintにフォーカスしています!
ここでは、Allen Toussaintが、ブラック・ミュージックの世界で行ったプロデュース作や参加曲に触れていきたいと思います。
しかしながら、予めお伝えしておくと、この先見えてくるのは、ひとりの音楽家が描く仕事としては、かなり振れ幅が広い世界です。というか、取り止めが無い、と感じる方がいるかもしれません。
でも、筆者は、その感覚こそが、このブログを通じて伝えたかったAllen Toussaintという音楽クリエイターの核心のひとつではないかとさえ考えていますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。
1974年になるとToussaintは、Labelleの「Nightbirds」を手掛けます。
LaBelleは、Patti LaBelle、Nona Hendryx、Sarah Dashから成るフィラデルフィア出身の女性3人組。この作品は、彼女たちによる4作目になります。
ここには、アルバムからのヒット曲というだけでなく、その後もカヴァー・ヒットを生んだ“Lady Marmalade”が収められています。
この曲でToussaintはプロデュースを担っていて、Metersも参加、しっかりとした存在感を放っています。
ここで気になるのが、フィラデルフィア出身の彼女たちが、なぜニュー・オリンズのサウンドを取り込もうと考えたのか、ということ。
それまでの彼女たちは、セールス的には振るわない状況が続いていたようで、本作はレーベルを移籍してのリリースとなっています。この心機一転の試みとして、ニュー・オリンズ・サウンドの担い手であったToussaintに白羽の矢が当たった、ということは考えられます。
結果、「これぞ、セカンド・ライン!」というものではない一方で、ここでToussaintが提供したアーシーなブラックネスは、彼女たちのナスティな魅力を存分に引き出しています。
とにもかくにも、本作は、Toussaintのプロデュース業における象徴的な仕事となりました。
翌年1975年には、James Cotton Bandの「High Energy」をプロデュース。
James Cottonは、メンフィスやシカゴを拠点に活動してきたブルース・ミュージシャンで、1960年代には、Muddy Watersのバックでハープを吹いていた人物です。
ここでのToussaintの仕事も、重量感たっぷりで最高です。ホーンが多用されることで派手な雰囲気にはなるものの、リズム隊のパフォーマンスは至ってヘヴィー。主役のブルージーな歌唱をよく引き立てているように思います。
また1976年には、カナダを拠点に活動したキーボード奏者:William D. Smithの「A Good Feelin’」を手掛けます。
彼は、Bob Dylanの他、Bozz Scaggs、Bonnie Raittらのバックも務めているようです。
本アルバムは、洗練されたファンク・チューンやAOR風味のスロウが収められる中、アルバム全体の印象としては「ライト感覚」と「朴訥」というイメージが当てはまるように感じられます。
ヴォーカリストの核には確かにブルースが宿る一方で、Toussaintが本作に提供した音世界にはカントリー的な質感が通底しており、そういった意味では、Toussaintの1960年代のニュー・オリンズ時代の作品を彷彿させもします。
1977年には、UKの歌姫:Linda Lewisの「Woman Overboard」をプロデュース。
本作のレコーディングは、ロンドン、NY、LAに加え、ニュー・オリンズでも行われ、ここでの制作指揮にToussaintがあたったようです。
アルバム全体は、Lindaの可憐なヴォーカルとAOR風サウンドが支配的ですが、Toussaintの仕事は、そこに淡い黒の色彩感を添えています。
1980年になると、Toussantは、Etta Jamesの「Changes」をプロデュース。
ここでの彼は、声の主のダイナミックでディープな持ち味を活かさんと、重心低めのソウルフルなサウンドをコーディネイトしており、Toussantが1978年に発表、それとほぼ同時期にLee DorseyやRobert Palmerも取り上げた“Night People”のカヴァーを含め、実に聴きどころの多い作品に仕上げています。
一方で、同じ1980年には、LaBelleの一員:Patti Labelleが4作目として発表した「Released」において、半数以上の楽曲をプロデュース。
ここでの彼は、時代の趨勢には抗えなかったか、というよりも、臆面も無くといった印象の中、ディスコ的なアプローチを見せています。
往年のToussaintファンからすると、顔をしかめられかねないエレクトリックなサウンドが飛び出しますが、「新し物好き」な側面もToussantの魅力のひとつと捉えれば、タイトル曲を始めとするブギーも悪くない気が。
加えて、この年には、Toussaintはジャズの世界にも顔を出します。
Ramsey Lewisの「Routes」で、彼は2曲に参加しているのです。
ここでのToussaintは、軽快なフュージョン・ファンクやバラードを提供、EW&F人脈等により構築された音世界に、何の違和感も無く同居しています。
「これがホントにアノ“Southern Nights”の人?」「セカンド・ライン・ファンクはどこ行った⁈」なんて声が今にも聞こえてきそうな仕事ぶりですが、1980年代という時代の空気を存分に吸った彼による、顕著な傾向ではあると思います。
ブルース、AOR、ディスコ、フュージョン…ブラックミュージックにおけるToussaintの裏方仕事の華麗なる?七変化。
こういった一連の動きは、彼のミュージシャンとしての「柔軟性」や「新し物好き」な性分のみならず、彼の下に集ってきた人々との音楽的交流からも多分に影響を受けているものと思われます。
そのひとつにロック・フィールドにおける「アメリカーナ」という気運との強い繋がりがありました。
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ここまで、Allen Toussaintがブラック・ミュージックの世界で手掛けた仕事にフォーカスしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は、引き続きAllen Toussaintの魅力にフォーカスし、ロック・フィールドにおける「Toussaint詣で」を追ってみますので、お楽しみに!
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UniverGoods







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