「おでん」って面白い! – 全国津々浦々 ご当地おでんの多様性 Vol.3「ペアリング」編
2025年2月16日
最終回となる第三弾では「おでんとワインのペアリング」について取り上げてみようと思います。
と、その前に!
おでんの味は「出汁」と「種(具材)」で決まると思いきや、「調味料」というものを外せないんです!ということをお伝えしたく。
特に東京では、おでん屋さんに赴くと、必ずといっていいほど「黄色いからし」がついてきますよね?
ああいった「調味料」についても、とても面白い地域性があるようなんです。
また、ワインとのペアリングにも大きく関わってくると思いますので、ここで「調味料/薬味」について触れておきたいと思います。
◼︎おでんの味わいにアクセントを加える「調味料」たち
私は寒い時期になると、コンビニのレジ横にある「おでん」をついつい買ってしまいます(しかも、週に3回も)…。
中でも大好きなセブンイレブンでは、「おでん」を買うと「からし」以外に色々な調味料や薬味がもらえるのを知っていますか?
最近では、「味噌だれ」や「柚子胡椒」といったものまで無料でもらえました!
そんな私なので、おでんに合わせる「調味料」にも少々こだわりがあり、地方遠征した際にも色々と調べつつ食してきました。
その成果は以下の通りです。
・青森:「生姜味噌(赤味噌ベース)」を付けて食べた。
・金沢:「味噌だれ(白味噌ベース)」が出てきた。
・静岡:西側では「味噌だれ(八丁味噌)」を、東側では「青のり+だし粉」をかけて食べた。
・姫路:「生姜醤油」を付けて食べた。
・宇和島:「辛子味噌(麦味噌)」を乗せて食べた。
・福岡・佐賀・長崎:「柚子胡椒」がよく出てきた。
「調味料の地域性」、面白くないですか⁉
中でも、個人的にベストだった「種と調味料の組み合わせ」は、「大根+味噌だれ」「しらたき+柚子胡椒」「卵+柚子ごしょう+味噌だれ」でした!
一般的な「お鍋」と同じで、「おでん」を構成するのは「出汁」「種」「調味料」なんだ!ということが伝わりましたでしょうか!
この組み合わせで、おでんもこれまで以上にいろんな楽しみ方ができそうですよね?
■お取り寄せおでんにもユニークな「調味料」が
そして、今回お取り寄せした8種類のおでんのうち、2商品にも「調味料」が添付されていました。
・姫路おでんには、やはり「生姜醬油」が添付されていた。
・静岡おでんには、やはり「青のり」に加え「だし粉(魚粉)」が添付されていた。
<上記画像を押下すると、商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
今回、お取り寄せおでんに付いていた「調味料」は、改めて実食してみた印象として、単なる「塩味」というだけでなく「魚介感」とでもいうべき強いインパクトを与えるもので、単なる「添え物」の域を大きく越えるものでした。
なので、「苦手だ」という人も多そうですが、「クセになると抜け出せない」特色ともいえる気がします!
◼︎組み合わせ次第⁉ おでんとワインのペアリング
さて、皆さんは、おでんを食べる時、どんなお酒を合わせますか?
私は以前、赤羽の「丸健水産」さんで、「おでんの出汁割り酒」と一緒におでんをいただきました。
そこでは「ワンカップ日本酒を購入、50ml残してカウンターに持っていくと出汁を注いでいただき、お好みで七味をかけながら愉しむ」という体験をしたのですが、その時の私は「おでんは焼酎でもビールでも合うけど、この日本酒の出汁割り最高!」という感想を持つのみでした。
…でも、いつしか「自分の仕事でもあるワインだって、実はおでんとも合うのでは?」と思うように。
合うんです! 実際のところ、おでんってワインともペアリングが可能なのです。
おでんは「魚介」がベースなので「白ワインが合う」のは想像できますよね?
でも、個人的には「おでんに合う赤ワインもある」と思っています。
「おでんとワインのペアリング」に関しては、以下を押さえておけば、大きくはハズさない気がしています。
・「出汁」との相性:「さっぱり味」であれば「ミネラルが感じられる白」、「魚介の旨味が強いもの」であれば「長期熟成・酵母接触(瓶の中で酵母が糖を食べ尽くしアミノ酸が発生すること)されたシャンパーニュ」、「味噌煮込み」には「メルローの赤」なんかが合う。
・「種(具材)」との相性:「練り物」に含まれる鉄分量がポイント。「さっぱりとした白身魚のすり身」であれば「すっきり白」、「魚介感のある青魚のすり身」であれば少量のタンミンを含む「ロゼ」や「醸し系」、「牛すじのような肉類」には油をきってくれる「ミネラルと酸のある白(オーストリア・ドイツ)」や「淡い赤(ピノ・ノワール等)」が良い。
・「調味料」との相性:「からし」「だし粉」「生姜醬油」には「旨味系白」か「淡い赤」、「柚子胡椒」には「柑橘系白」、「味噌」には「濃厚赤」あたりがイケる!
実際、お客様に当店のワインとの組み合わせを試していただいた際にも、
・「生姜醤油をつけて食べる姫路おでんには、 「豊かな旨味」を持つ「南イタリア・プーリアの白ワイン」が合う!」
・「魚介類の旨みが引き立つ出雲や宇和島のおでんは、「優しいタンニン」を感じる「南イタリア・サルデーニャのロゼワイン」が良い!」
といった感想があがりました。
お客様におでんとのペアリングを試していただいた2本のイタリア・ワインは、以下のものになります。
<上記画像を押下すると、商品に関する投稿ページが閲覧出来ます>
ちなみに、プーリヤやサルデーニャは海に囲まれた「魚介類の宝庫」。「鰯」を指す英語:sardineはこの地名からきているらしいですよ。
最終回となる今回は、おでんに添える「調味料」の地域性に加え、「ワインとのペアリング」に触れてみましたが、いかがでしたでしょうか?
この「おでんブログ」では、3回にわたり「出汁」「種」「調味料」を切り口に、その多様性の面白さについてお伝えしてきましたが、日本にはまだまだたくさんのユニークなおでんが存在すると思います。
私も「おでん」の「食べ比べ研究」は続けるつもりなので、皆さんからも「おでん情報」を提供いただけたら、とてもうれしいです!
それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
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